眼鏡の
奥の
真実



「先生は、何で逃げなかったの?」
「なんでだろうね。きっと飽きてたのかもしれない」
「変なの、自分のことなのに分かんないの?」
「ああ、興味がないからね」
「ふぅ〜ん」

 先生は犯罪者だ。何をしたのかあんまり知らないけど、人を殺したみたい。それで死刑になったらしいけどお父様がこっそり連れて来た。お父様はそういう方面に顔が利くみたい。
 つまらない。今日は先生はずっと試験管を見つめたまま。とってもつまらない。誰か遊んでくれないかしら。天気がいいから外に行くのでも構わないわ。むしろ行きたい。でも、ダメね。許可が下りてないもの。
 ああ、これがいい。これにしよう。



「なんだい?」
「なんでもないわ。気にしないで先生」
「そうか」

 物言いたげな先生。でも気になんてしてらんないわ。

「そうなの」



「あのね、」
「なぁに?」
「気になるんだが」
「だってつまらないんだもの」
「ならテレビか本でも読んでいなさい」
「気分じゃないわ」




 あら、

「せんせ、」
「なにかな。いい加減諦めてくれたかい」
「先生の眼鏡ってもしかして度が入ってないの?」
「無言で私の顔を眺めたと思ったら、いきなりなんだい」
「気にしないで。で、どうなの」
「掛けてみる?」

 勿論掛けさせて貰う。レンズ越しの世界は何一つ変わらない。やっぱり、

「度なんて入ってないじゃない。何でそんなのをかけているの」
「なんでだと思う?」
「人嫌いだから」

 一瞬固まったわ。あの先生が。珍しいこともあるのね。なんか得した気分。
 そんなに吃驚することかしら。先生の経歴から考えたらおかしくないと思うんだけど。
 フレームの両脇を指で持って、離したり近づけたり。何にも変わらない。けど、隔たりはある。そこに安心を求めたの? 先生

「そんな風に見えているのか? 君には」
「いいえ」
「変なことを言うね」
「そうかしら」
「そうだよ」
「でも先生は人が好きじゃないでしょ」
「サンプルとしてはこの上なく大好きなんだけど…」
「サンプルじゃない。物扱いだわ。人という枠の中に見ていないじゃないの」
「そうだね、そうかもしれない。うん、嫌い、というか苦手かもしれない。人は」
「そう、」
「ああ」


「せんせ」
「なにかな」
「コレいる?」
「いらないよ。つまらなくなったしフィルター越しに見るのはやめるよ」



いつにもまして意味不明。書いた自分にも良くわからない。
スランプっていうか、書き方忘れてるし、どう書けばいいかわかんない。とりあえずアップしときます。あーはずかし。